かーぜーよふけふけー

シネフィルWOWOWティファニーで朝食を」。やっぱりマンハッタンはええなあと言う映画。死んで生まれ変われるならズバリ、ニューヨーカーに生まれ変わりたい。ちなみに劇中でいちばん好きなシーンはヘプバーンがムーン・リバーを弾き語りをする一連で、ガッチャマンもタイガーセブンもティファニーも、主題歌を劇中で歌う作品にハズレなし。

 

ATXリズと青い鳥」。嫌味な主人公に辟易して1話しか観たことなかったユーフォニアムのスピンオフとは思わなかった。作画に凝りすぎてキャラのアホ毛が多すぎるのはどないねんと思ったけど、作画も演出も上品で、女の子らも揃って線が細くて可愛くて(テレビの主人公らも喋らないと可愛い)、まったくうっとりする。肝心の音楽も良かった。内容はまあ、あんなもんではないかい。

 

東京へ急遽の出張の相棒宅へ届け物。10何年ぶりに会うお母さんはええ歳こいて(自分と同い年)色々と相変わらずの相棒を心底から心配していて、ああ、母親ってのはいいもんだなあとしみじみ思う。もとより親兄弟のない、自分みたいな無頼な人間にはことさらに。

 

 

 

 

ディスカバージャパン

衛星劇場「街の灯」。なんかしらん、下馬評の異様に高い映画だけど、森崎東に全然まったく馴染みのない自分にはマチャアキ主演の単なる下品なコメディだった。整形外科医のフランキー堺研ナオコを自身の最高傑作と叫んで抱きつくシーンと、笠智衆がいつものテンポで銀行強盗するシーンだけ面白かった。あと昭和40年代の西日本の風景が良かった(なぜか京都や大阪は出ないけど)。

 

シネフィルWOWOW「パリの灯は遠く」。美術商ドロン39歳。ナチス占領下のパリでユダヤ人に間違えられたドロンの悲劇で、タイトルと内容は全く関係ない。私的サイテー映画のいっぽん(と言うかモニカ・ヴィッティの映画で面白いと思ったのがいっぽんもない)「唇からナイフ」の監督作品にしては面白かったけど、肝心のドロンが全然まったくカッコよくないのは問題ではないか。

 

三島由紀夫「純白の夜」読了。ラディゲを思わせる傑作!との謳い文句とカッコいいタイトルに惹かれて読んでみたが、婦人公論の連載では無理もない、単なる通俗小説だった。

ナイポール「ミゲル・ストリート」も読了。これは面白かった。低俗で低能な南国人たちに終始つきまとう薄ら寂しさが癖になる。就中、詩人・ワーズワースの一編が素晴らしい。

マシスン「13のショック」も読了。全156話でもうすぐ観終わるスーパーチャンネルの「ミステリーゾーン」の傑作群に触発されて昭和37年の本を手に入れてみたけど、こちらは打率4割くらい。でも「死の宇宙船」はミステリーゾーンの「幻の宇宙船」より面白かった。

仮面ライダー!また会おうぜ!

好きな女の子に告白する、OKされて嬉しい、それだけの話をどれだけの読者が面白がってくれると言うんだ!と往年の島本和彦は言うとったけど、いまさらながら観た「薄暮」はほんまにそれだけだったけど実に良かった。流石ヤマカン。流石近岡先生。次回作も期待してます。

 

ヤマカンと言えばヤマカンがどう思ってるのかとても気になるゾンビランドサガはリベンジもいきなり面白くて、監督はなんでスイートプリキュアでこの実力を発揮しなかったのかと惜しまれる。

 

オタク終活はメタルダーを中断してディスクが見つかった仮面ライダーをクラゲダールから再開。仮面ライダーでも一文字ライダーのこの辺が特に懐かしいけど、これを本気で面白いと思ってる連中は病院へ行った方がいい。

怒る!

サマセットモーム「人間の絆」挫折。上下巻で敬遠してたのをようやく手にしてみたけど、モームにしてこのダメダメさは一体何なのか。

 

オタク終活で九重祐三子のコメットさんを観始めるも、毎回毎回、心からどうでもいい展開と、40年経っても相変わらずムカつく川越兄弟と、一片のカタルシスもないオチにとても耐えられず市川森一の登板を待たず挫折。観る前に「やめといたがええんちゃうか?」と忠告してくれた相棒はサスガ。往年の同人誌なんかやたら力が入ってたけど、この番組が好きな人に一体ナニがそんなに面白いのか正直聞いてみたい。しかしホームドラマエスエフを加味したら普通、ドラマの密度が上がって面白くなるはずではないかと思うけど、古色蒼然な国際放映の脚本陣には早すぎたのか、あるいは帰ってきたウルトラマンが凄すぎるのか。でもまあパートとは言え人形アニメだけは相変わらず無駄に良かった。

 

と言うワケで心機一転、超人機メタルダーを観ることにする。

 

ええ年したおっさまがひとりで行くととてもカッコ悪いので嫁はんについてきてもらって阪急本店で開催中の高田明美展へ。しかしファンシーララのグッズが全然まったくなくて寂しい気分に。

緊急指令10-4・10-10の出動だ!

アイルランド短篇選」読了。半分くらい面白かった。イギリス文学もアイルランドも結末は明るい方がいい。シャーウッド・アンダースン「ワインズバーグ、オハイオ」読了。恐らくは訳がダメでまったく面白くなかった。カポーティ「夜の樹」読了。これも所収の前半面白くないのは訳がダメなのかしらと思ったら、村上春樹の訳に拮抗する「誕生日の子供たち」を挟んで以降は俄然面白くなった。所収の「僕にだって言いぶんがある」は色々と圧巻。

 

オタク終活「緊急指令10-4・10-10」全26話。当時もいまも大好きな番組。かいつまんではよく観るけど通して観るのは10年ぶりくらい。怪物ものから人情もの、怪奇もの、犯罪ものまでジャンルを問わない自由な作劇と、怪奇大作戦よりアンバランス寄りでねちっこい作風もいい。トミーがスポンサーでなぜかまったく商品化されなかったスバル・レオーネも素晴らしくカッコいい。メインライターの田代淳二が描く所謂ファンタジー編と、高久進の天才ゴリラの都合5編は掛け値なしの傑作で、ほかも致命的な怪物の造形をのぞいて、いずれ劣らず悪くない印象。ワーストは例によって藤川桂介の軽井沢編(ダムラーは藤川にしては悪くないのは夏で懐かしいから?)と、高久進佐藤肇を偲んで書いたみたいな「死体を呼ぶ白骨」くらい。あとは馬場秀夫のオープニングがとにかくサイテー。主題歌が死ぬほどカッコいいだけに惜しすぎる。なぜ漫画も描いてた内山まもるか、せめて今道英治に描かせなかったのかと50年近く経ったいまでも残念に思う。

 

 

 

 

 

さようなら北斗星司

オタク終活「ウルトラマンA」全52話。当時も途中で嵐に乗り換えたからして、全話通して観るのは生まれて初めてかも知れない。

序盤戦、ハナシの整合性もなにもあったもんではないけどスケールだけはやたら大きいエースキラー戦まではウルトラシリーズの決定版を志す気概も感じられたけど、それ以降はキャラクターにまったく必然性がなかった南夕子の無理もない退場までの迷走っぷりにびっくりする。

さらに以降、夕子の退場を機会にやんちゃ坊主が心機一転、妙に頼もしくなる北斗と、シリーズの打ち切りが決定して登場するウルトラ6番目の弟・ダン少年を中心にした、あからさまに仮面ライダーを模したらかえって身の丈に合った展開はむしろ見やすくはなるけど、そこに文芸の円谷の矜持は微塵もなく、さらに超獣のデザインはどんどん理解不能になり、翻ってトクサツだけはやたらといいのがかえってうら寂しい。

さらに進んでタロウが決定した途端にダン少年が退場、真船禎と並んでアミニズムがエースの作風に似合って悪くない石堂淑朗がラストに向けて適当にまとめあげ、戦犯の市川森一が十八番の嫌味を持って、こんな番組がようも続いたと感心する4クールの幕を閉じる。

と言うワケで終始、釈然としないシリーズではあったし、多分もう二度と観ることはないと思うけど、当時世代ど真ん中でアリブンタとタックビルやプラモのファルコンやタック基地を買い揃えた自分はひたすら懐かしかったのでまあよし。最終回の変身からお子らに見送られるエースまでの演出と音楽だけは神がかってると思う。あとタック隊の雰囲気が変わっても最後までキャラがぶれなかった山中隊員に拍手。

ついでに近所の友達のくんちゃんがタックのジャンパーとヘルメットを持ってたのが死ぬほど羨ましかったこと思い出した。

宇宙にいるのはわれわれだけではない。

クラーク「地球幼年期の終わり」読了。古本屋で創元版見つけて、中学時分に読んでさっぱりだったので40年ぶりに読んでみたらやっぱりさっぱりだった。なにしろコートームケー過ぎてついていけんと言うか、むしろイライラする。