あばよ

日本映画専門チャンネル「用心棒」。見るたび藤田進が好きになる映画。黒澤明で1961年。

 

DVD「地平線がぎらぎらっ」。我欲に憑かれた脱獄犯どもがダイヤを巡って絶望へと一直線。新東宝らしいアナーキーさとスピードとエネルギーを蓄えて、タイトルからなにからすべてが良い意味で狂ってる映画。主演のついでに主題歌までかますジェリー藤尾は喧嘩もドラムもさすがの本物で見ごたえ抜群。ヘンなカツラにメガネでいつになくカッコ悪い天地茂も必見。土居通芳監督で1961年。

 

スターチャンネル「カサノヴァ・最後の恋」。エセ貴族ドロン57歳。史劇が嫌いなこともあって後回しにしていた映画だけど、華麗な女性遍歴も過去のものになったカサノヴァを初老のドロンそのひとに置き換えて、素晴らしく情趣に富んだ結末に仕上がっている。若き日のドロンを彷彿とさせる煥発な少尉をカサノヴァが決闘で打ち取ったあと、死骸となった彼に別れの口づけするシーンが最高。1992年。