オロカモノメ!

中野孝次「清貧の思想」読了。いまさら読んでも面白い1992年のベストセラー。コレクター的に序盤の光悦の茶道具のくだりが実に興味深い。バブル経済を俯瞰した内橋克人の解説も面白い。とは言えバブルが弾けてなお、日本経済がまだまだ持ち直す可能性があった頃の名著にて、いまや経済が二重底どころか三重底で選択肢のない現代日本には即さない感は否めない。バブルの頃より遥かに幼稚になった日本人ではことさらに。

 

しかし実際のところ、人間は金ではない。先の年末年始、それを実感した自分が言うんだから間違いない。