ノエミ

井上靖天平の甍」読了。知人からもらった本で遣唐使たちの大冒険譚。歴史は日本史も世界史もさっぱりだったけど、井上靖の圧倒的な文章力でキャラクターの書き分けも鮮やかに、もとよりドラマチックな史実が最高に盛り上がって、全然まったく期待してなかったぶんも非常に面白かった。上梓から30年以上経って80年代に公開された映画もいつか観てみたい。

 

クローディア・グレイ「円環世界の少女戦士」も読了。こちらは異星の少女戦士とアンドロイドの青年の冒険譚。同じくハヤカワの青背の「鋼鉄都市」シリーズをラノベにしたみたいな展開。でも創造主と念願の再会を果たしたアンドロイドの絶望からヒロインへの慕情が確かになる流れは良かった。ふたりが安易に再会しないラストも上手い。