若者が死に、老人が生き残るというのは、僕が許せません、あなたが許せません

ヘミングウェイ「インディアン部落・不敗の男」読了。これに所収の「二心ある大河」のマス釣りと「不敗の男」の闘牛の微に入り細に穿ったディティール、序盤が奇妙に印象に残る「アルプス牧歌」は相変わらず素晴らしくてうっとりする一方、タイトル違いの半分以上読んでたハナシで、フィッツジェラルドともヘミングウェイももうほとんど読んでしまった感じで寂しい気分になる。

 

有馬頼義「遺書配達人」読了。戦友らの遺書を戦後の内地に届ける任務を憎みながら、その執念だけに生きる主人公が束ねる十数の遺族ら各々の境遇を描く。日本文学らしい、読んでるこちらが首をくくりたくなる陰鬱な筆致が圧倒的過ぎる。これが週刊文春連載の大衆小説だったと言うのが昭和の恐ろしさ。そしてそんな小説でも挿絵があるのが旺文社文庫

 

遠藤周作「白い人・黄色い人」読了。デビューに近い作品のせいか結構粗削り。どちらも邪悪な主人公は前者はリヨンのフランス人、後者は兵庫の日本人で、カトリックとナチズムをタブらせて描く前者のが面白かったけど、芥川賞は後者がとってるらしい。

 

当時、石原満の絵が嫌すぎてスルーしてたけど、なんとなく内容が気になってたダイガードがATXで始まった機会に観てみたら、ハナシも主人公も絵と同じくらいダメだったと言うオチ。しかも20年が経ったら絵の汚らしさもパワーアップしてまったく観るところなし。80年代以降で女の子が可愛くないアニメに存在価値があるのかと言うか、まだアニマックスでやってるスペースコブラのねーちゃんらのが可愛らしいのもどないやねんと。まあこのアニメを褒めとくと通っぽくていいかもね。とりあえず水島精二はダメだ。