蛇の女王

シネフィル「千夜一夜物語」。人生三回目の鑑賞。面白い面白くない以前の問題で、なんべん観ても主人公アルディンにまったく感情移入できないのが凄い。ビジュアル面でやなせたかしのキャラクターは悪くないけど、手塚御大の描く蛇の美人島や、魔人の嫁はんが化身する牝獣がなんたっていい。とは言えアニメラマではクレオパトラの面白さに到底かなわず、哀しみのベラドンナはさらに別格。どうでもいいけどベラドンナの原画って全然残ってないのかしら。1969年。

 

周囲の持ち上げとラッキーだけでとんとん拍子に出世する今どきの異世界ものの嚆矢のような千と千尋なんぞを評価する連中が、自助努力のすえ本懐を遂げる鬼滅の刃を蛇蝎のように嫌うのは、まあ当然ではあるまいかと。と言うかいちばんマシなラピュタですら盛り込み過ぎてうんざりする、ついでにナウシカはユパさまが飛んでくるシーン以外まったく記憶に残らない宮さんのアニメで掛け値なしに面白いのってなんかある?