ディスカバージャパン

衛星劇場「街の灯」。なんかしらん、下馬評の異様に高い映画だけど、森崎東に全然まったく馴染みのない自分にはマチャアキ主演の単なる下品なコメディだった。整形外科医のフランキー堺研ナオコを自身の最高傑作と叫んで抱きつくシーンと、笠智衆がいつものテンポで銀行強盗するシーンだけ面白かった。あと昭和40年代の西日本の風景が良かった(なぜか京都や大阪は出ないけど)。

 

シネフィルWOWOW「パリの灯は遠く」。美術商ドロン39歳。ナチス占領下のパリでユダヤ人に間違えられたドロンの悲劇で、タイトルと内容は全く関係ない。私的サイテー映画のいっぽん(と言うかモニカ・ヴィッティの映画で面白いと思ったのがいっぽんもない)「唇からナイフ」の監督作品にしては面白かったけど、肝心のドロンが全然まったくカッコよくないのは問題ではないか。

 

三島由紀夫「純白の夜」読了。ラディゲを思わせる傑作!との謳い文句とカッコいいタイトルに惹かれて読んでみたが、婦人公論の連載では無理もない、単なる通俗小説だった。

ナイポール「ミゲル・ストリート」も読了。これは面白かった。低俗で低能な南国人たちに終始つきまとう薄ら寂しさが癖になる。就中、詩人・ワーズワースの一編が素晴らしい。

マシスン「13のショック」も読了。全156話でもうすぐ観終わるスーパーチャンネルの「ミステリーゾーン」の傑作群に触発されて昭和37年の本を手に入れてみたけど、こちらは打率4割くらい。でも「死の宇宙船」はミステリーゾーンの「幻の宇宙船」より面白かった。