至急巨大ロボットを!

オタク終活「スパイダーマン」。全話観るのは90年にKBS京都で再放送あって以来だから実に30年ぶりで、今回観たのはテレビ新広島バージョン(ややこしい)。石森史郎の日本版バットマンこと「ザ・カゲスター」をアメコミ路線の試金石にした東映が、今度は日本人の情緒に深く訴える人情ものにアメリカン・ヒーローを無理から落とし込んだこのスパイダーマン。東京12チャネルのアングラ放送が功を奏してやりたい放題の序盤の完成度は論を待たず、なかんずく高久先生のライフワークのヒーローと子供の友情の完成形を見るようなキラー一角獣戦(バトルでないスパイダーマン・アクションも最高)は当時以来のフェイバリット。これが発展し過ぎてこのあとスパイダーマンとお子らの話ばっかりになるのはどないやねんと思うけど、不世出のスパイダーマン・アクションと、悪役顔なのに異様に好感度が高い香山浩介の好演もあって、終盤やることなくなったなりに文芸と映像とも高い水準のままシリーズが完結をみたのは素晴らしいと思う。実際、東映スパイダーマンが近年の陰鬱なアメリカン・ヒーローものにフィードバックしているのは間違いない。

 

しかし賀川雪絵いいなあ、アマゾネス様とクイーンギルバ様が特撮ヒロイン二強と言って間違いないけど、米田先生時代を先取りしすぎ。