オチャラ

オタク終活「サンダーバード」全32話。幼稚園から小学校、中学校まで、それこそ再放送のたびに観てるけど、全部通して観るのは特別版のエンディングが流れたサンテレビの再放送以来だから30年ぶりくらい。そんときあんまり面白くないなと思ったけど改めて観てもやっぱり面白くなかった。スポンサーのルー・グレード卿の厳命とは言え一時間枠はきっぱり失敗だった。サンダーバードは重機の出ないハナシのが面白いとは友人の身もふたもない名言だけど、それにしても似たようなハナシが多すぎる。何回金庫破ったらええねん、何回原子炉爆発すんねんみたいな。結局パイロット版「国際救助隊出動」の奇跡的な完成度を以降まったく越えられなかったのが問題で、こないだの劇場版55に伴う世間の高すぎる評価は例によってまともに観てない連中の無責任なプロパガンダと言ってまあ間違いない。そしてアンダーソン作品でメカニックがカッコいいのは当然なのであえて言及しない。ちなみにいちばん好きなのはワスプ出身のゴードンでメカニックも4号。宇宙ロケットであんまり活躍のない3号がお子の登場回で必ずクローズアップされるのは5号の出来にビックリする玩具メーカー・ローゼンタールへの配慮なのかしらん。

 

松島みのり追悼で東映チャンネルで「あかねちゃん」を放映していただきたいどうかひとつ。

昭和の銛師丹治

しかし改めて観ても「黄金バット」は黄金バットとエミリーちゃんの関係が希薄すぎるのがいささか難。監督が述懐するようにカーロフの「フランケンシュタイン」の怪物と少女のテイストが加味されるとロマンチックで良かったかも知れない。

 

和歌山行では「南紀の死斗!! ザダム超能力発揮」でお馴染み、太地の「くじらの博物館」にも行ってきた。鯨のキンタマのホルマリン漬けからズラリ歴戦の捕鯨砲まで、微に入り細に穿って鯨を描破する館内は、アミューズメント化、白痴化した都市部の博物館や水族館が失って久しい知性と教養と鯨愛が息づいて圧巻の一語。うっとりとろけるようなひとときで、来春の夫婦旅行でも既に予定に組み込んだけど、できれば毎月、否毎週でも行きたいのが正直なところ。ついでに屋外ではシオマネキングが登壇するイルカプールも健在でびっくりした。カンケーないけど仮面ライダー那智ロケの「お前もこの番頭のようにしてやる!」と「だいぶ熱いぞ!」はサンダーマスクもびっくりの特撮アタマ悪い台詞の筆頭格かと思う。

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今度失敗したら殺すぞ!

ナゾー様が全編イライラし過ぎの東映チャンネル「黄金バット」。きっぱり黄金バットが死ぬほどカッコよく、高見のエミリーちゃんが死ぬほど可愛いだけの映画。でもそれだけでなんべんでも観れてしまう素敵な映画。佐藤肇の母親とかミスター黄金バットの正体とか頼んないトクサツ監督とか、クランクアップまでのバックボーンが結構悲惨でびっくりするけど、超低予算をほとんどカット割りだけで逃げ切った感のある佐藤肇はとりあえず凄い。あと悪魔道人と同じ演技の沼田曜一最高。

 

リラダン未来のイヴ」読了。創元ライブラリ版だったんで実に読みにくかったけど、時代背景とシンクロする文体は格調高くて悪くなかった。ラストはジョジョのジョナサン編のそれみたい。ドストエフスキー「賭博者」も読了。奇しくも「黄金バット」同様に急ごしらえの作品にて序盤が退屈で中盤面白く、そして終盤急ぎすぎみたいな。ギャンブルで身を亡ぼす婆さんが(サンダーバードの侯爵夫人みたいな)いい味出していた。

 

佐藤肇と言えば先月の和歌山行で「吸血鬼ゴケミドロ」でお馴染み橋杭岩へ行ってみた。昆虫大戦争とかギララとか髑髏船とか、きっぱり作らないほうがマシだった松竹の怪獣ものでゴケミドロだけあまりにも別格な謎。

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プロジェクトソード

スターチャンネルサンダーバード55」。公開前は話題沸騰人気沸騰みたいだったのが公開した途端に全然まったく何も聞かなくなったのも当然みたいな駄作。なんたって本編前にスタッフがこんなに頑張って当時を再現しました!新しく作るほうが楽でした!と自画自賛するのが邦洋問わずアホすぎるが、なるほど操演が相変わらずヘタクソなのも当時のままでそこだけは納得。人形なら当時を再現できるとの主張はきっぱり声優が当時と違う時点でアウト。これなら一緒にやってた「サンダーバードのできるまで」のがひゃくまんばいマシと言うか、この時点で既に当時を再現できてるのはどないやねんと。あと劇場版の吹き替え版は正気を疑うグロテスクな企画で心底うんざりした。

 

そして本懐のテクノボイジャーの未見3本はなんで地上波で流さなかったキャサリン水着回と「脱出!危機のクリュセイス」がかなりハードSFでオチも気が利いていて面白かった。繰り返してテクノボイジャーはアニメの枠内で可能性を模索した数少ない80年代アニメとしてもっと珍重されていいのではないか。

 

 

 

ダグラム砂に沈む

オタク終活。ATX太陽の牙ダグラム」。テレビ大阪の再放送、20年前のATXとシリーズ通しては人生三度目。ちなみに本放送はテレビ大阪の開局でサンテレビからチャンネルが移ってガルシア隊いっぱいくらいまでしか観れなかった。だからと言うワケではないがダグラムで本当に面白いのは展開が予測できないガルシア隊までだと今回結論する。無論、以降も80年代のロボットアニメにしては破格の出来だと思うけど、毎回似たような絵面で似たようなハナシを無理から繰り返し、存在感に比べて不自然に強いダグラムとも蛇足の感はどうにも否めない。あと初登場のブロックヘッドとか、たまに入る二宮作画が救いになってるけど、サンライズの二番手にしても低空飛行にもほどがある作画は何とかならんかったもんか。作画のついでに続々登場するカッコいい新型コンバットアーマーにまったく見せ場がないのも凄い。とは言え田中亮一の代表作はやっぱりロッキーだと思うし、私的ワースト声優の銀河万丈に緒形賢一もチコやナナシはなぜか最高にいい。冬木透の音楽もいい。初回と最終回のリンクも素晴らしい。と言うワケでやっぱりダグラムはいい。

 

マイク・ビショップ「時の他に敵なし」読了。やたら分厚い一冊。精神と実存の時間旅行の発想が面白いけど、自画自賛のあとがきで萎えた。ジョージ・オーウェル「一九八四年」も読了。これとザミャーチンの「われら」を読了したタイミングでウクライナ侵攻が始まって、共産主義に衆愚はやっぱりあかんよなと。レマルク西部戦線異状なし」読了。昭和30年初版の傑作の翻訳まま、いまだ版数を重ねてるのが凄い。これは映画より原作のが面白かった。マーク・トゥエイン「人間とは何か」と「不思議な少年」読了。ペシミズムの極致の前者を自ら翻案したようなのが後者で、キチガイが一番幸せとか何とか、こちらはかなりの人が読んでると見た。

金田が盗んだバイク

ATX「MEMORIES」。テレビつけたら期せずして「彼女の想い出」をやってて、飯塚昭三のおっさんとか梅津先生の絵かしらと思って観てたら勢い「最臭兵器」「大砲の街」も観てしまって、結果、梅津先生でなく井上俊之だったけど、最臭兵器は自衛隊の火器が描きたかっただけで、大砲の街に至ってはモゥまったく意味不明で、彼女の~がいちばん面白いと言うかマシだったと言うか、それでもアキラよりはどれも観れたと言うか、もとより自分は大友克洋が当時から大嫌いであること独白せねばなるまいと言うか。

トリス

ヘッセとかヘミングウェイとか、どんな好きな作家でもその作家「の」書いた本以外は買ったことがなかったのが、ついにその作家「を」書いた本「これぞ、開高健」を迷いに迷って買ってしまう。どないなっとんねん。でもまあ結構面白いからよし。

 

そんで開高健「衣食足りて文学は忘れられた?」「ピカソはほんまに天才か?」も読了。後者の「渚にて」とピカソの章、それとあとがきを読んでなんで自分が開高健にこれほど私淑するのか分かった気がする。

 

リルケ「マルテの手記」も読了。無遠慮に続くマルテの憂鬱な日々にうんざりするが、読んでみると不思議と読後感は悪くない。これに訳者のあとがきを加えれば完璧。