ハヤカワ

「日本SFの臨界点・怪奇編」読了。うっかり表紙につられて買った本で面白かった試しがないが、これはアンソロジーながらひときわ酷かった。まあエスエフ小説なんて邦洋問わず大半ろくでもないけど、改めて日本エスエフ小説の程度の低さを思い知ったみたいな。そんで表題作の血まみれ家族なんて数ページでも読んだワタシがバカでしたみたいな。

ドクタージャクソン

オタク終活「謎の円盤UFO」全26話。全話通して観るのは高校時分にサンテレビで再放送(うっかりスカイダイバー危機一髪を見損ねた)して以来なんで35年ぶりくらい。宇宙人の海底基地のハナシだけ相変わらずどうしようもなかったけど、ほかは全編、英国お得意のホラーやミステリーの風情にエスエフがスタイリッシュに加味されて文句のない出来ばえ。メカニックも最高、キャラクターも最高、実際、この番組が嫌いなトクサツファンってどうかしてると思う。ちなみにみんな大好きムーンベースの女性隊員ではエリス中尉より、北浜晴子声のニナ少尉のが好み。

アンクルトリス

山口瞳開高健「やってみなはれ・みとくんなはれ」読了。サントリー社史を元社員の2強が綴る。山口瞳も好きだけど並べて読むと開高健がやっぱり圧倒的。と言うか開高が山口をサントリーに引っ張り込んだとは寡聞にして知らなかった。商売は陰徳と、不撓不屈の精神が必須と再認識する。あと現代の日本人はやっぱり働かなさすぎるのではないか。挿絵は当然みたいに柳原良平

 

石井光太「絶対貧困」も読了。アジアの貧困層のルポタージュ。まあたまにはこんなん読むのもいいんじゃない?みたいな。しかし老若男女問わず、彼らの生命への執着は見るべきところがある。

 

李恢成、かいせい?「われら青春の途上にて」も読了。古本屋の本棚で見つけて何回も買うたやめた音頭を踊った本。民族の誇りを具えた在日朝鮮人の日本での生き方の難しさを描く。表題作の構成も凄かったが、併載の「死者の残したもの」の、「とにかくあんたらは何にでも反対する、悪い癖よ、いいもんはいいといわにゃあなるめぇ」と民団のひとりがとうとう語る一連が圧巻だった。

 

マイク・モラスキー編「闇市」も読了。闇市に関わる日本短編文学のアンソロジー。太宰、永井荷風と目当ての野坂昭如はまあ間違いないところで、拾い物だったのが鄭承博の「裸の捕虜」と、平林たい子の「桜の下にて」の二編。前者は善良で実直な在日朝鮮人の好感度が作品の面白さに拍車をかける。後者は闇市と縁遠い世界で生きてきた女学生らを描く華やかな筆致と、これに次第に影を落とす戦後の困窮の陰影が美しかった。しかし同じく所収の坂口安吾は喩え短編でも相変わらずさーっぱりワカラン!

 

 

 

 

 

 

若者が死に、老人が生き残るというのは、僕が許せません、あなたが許せません

ヘミングウェイ「インディアン部落・不敗の男」読了。これに所収の「二心ある大河」のマス釣りと「不敗の男」の闘牛の微に入り細に穿ったディティール、序盤が奇妙に印象に残る「アルプス牧歌」は相変わらず素晴らしくてうっとりする一方、タイトル違いの半分以上読んでたハナシで、フィッツジェラルドともヘミングウェイももうほとんど読んでしまった感じで寂しい気分になる。

 

有馬頼義「遺書配達人」読了。戦友らの遺書を戦後の内地に届ける任務を憎みながら、その執念だけに生きる主人公が束ねる十数の遺族ら各々の境遇を描く。日本文学らしい、読んでるこちらが首をくくりたくなる陰鬱な筆致が圧倒的過ぎる。これが週刊文春連載の大衆小説だったと言うのが昭和の恐ろしさ。そしてそんな小説でも挿絵があるのが旺文社文庫

 

遠藤周作「白い人・黄色い人」読了。デビューに近い作品のせいか結構粗削り。どちらも邪悪な主人公は前者はリヨンのフランス人、後者は兵庫の日本人で、カトリックとナチズムをタブらせて描く前者のが面白かったけど、芥川賞は後者がとってるらしい。

 

当時、石原満の絵が嫌すぎてスルーしてたけど、なんとなく内容が気になってたダイガードがATXで始まった機会に観てみたら、ハナシも主人公も絵と同じくらいダメだったと言うオチ。しかも20年が経ったら絵の汚らしさもパワーアップしてまったく観るところなし。80年代以降で女の子が可愛くないアニメに存在価値があるのかと言うか、まだアニマックスでやってるスペースコブラのねーちゃんらのが可愛らしいのもどないやねんと。まあこのアニメを褒めとくと通っぽくていいかもね。とりあえず水島精二はダメだ。

 

 

 

ザ・カンニング

まあ数分とは言えうっかり観てしまったワタシがバカヤロ様なのは間違いないとして、むしろ読書するような人間なら絶対観ない、そのすべてがあまりと言えばあまりに低能な仮面ライダーセイバーにはサブタイトルでIQ=0をつけるべきではないかと。

 

ツイッター見るたび不思議に思う、なぜみなさん街中のリアルなキチガイはスルーできるのに、ネット上のキチガイにはあえて火中の栗を拾うような行動に出るのか、謎だ。

 

 

ばなな

カルヴィーノ「魔法の庭・空を見上げる部族」読了。短編14編を所収しながら寓意の塩梅がいい表題作と何本か以外はついていけないところがあった。でも読後感が良かったので許す。

 

そう言えばレヴュースタァライトの劇場版をすっかり忘れてた。まだやってるのかしらん。レヴュースタァライトと言えばテレビ放送中、ウテナの真似とかなんとか間抜けな揶揄を聞いたことがあるけど、喩え真似でも女の子が揃って可愛い方がボロ勝ちに決まってる。

 

 

ヒゲとボイン

シネフィルWOWOWクレオパトラ」。アニメラマではいちばん出来がいいと言うか、随一の手塚治虫っぽさと、ギャグと劇画を絶妙に融合させた作画で何べん観ても面白い、バツグンに好みの傑作アニメ。無論、小島功クレオパトラと、いまだに全曲集が出ないのが不思議でならない冨田勲の音楽も最高。この時代からホモ役が板についてる野沢のなっちゃん(どう見てもシーザーはドメルでオクタビアヌスはミル)も最高。2001年みたいな大仰なオープニングからテレビアニメみたいなエンディングの落差も最高。とにかく最高。1970年。あと予告編観るとカットされてるシーンが多いのがいかにも手塚先生っぽい。

 

原民喜「夏の花・心願の国」読了。教科書かなんかで読んだ覚えがある、被爆直後の広島を描いた「夏の花」と、その前後の散文集。圧倒的な「夏の花」から段々観念的に過ぎてきて、巻末で表題の「心願の国」になると何を書いているのかよくワカランようになる。日本文学史上最も美しい散文集が、全編息が詰まりそうで、読了してほっとするのはいかがなものか。

 

野坂昭如「ひとでなし」読了。何十年も前の出来事をこれほど精緻に綴れる記憶力に驚かされるが、流石の野坂も老境に臨んでは筆致に迫力がないのは如何ともし難い。ジブリの宣伝相的には聞かなかったことにしたいだろう、かの「蛍の墓」を完全なフィクションと言い切ってるのが面白かった。