かく語りき

親も兄弟も故郷もない身にはお盆なんか全然まったく関係ないけど、今年前半戦の仕事がひと段落したんで休むことにしたらみんなに年中無休と思ってたと言われてなんでやねんと。

そしてその初日に映画でも観るかとハードディスクに残ってた「武闘拳・猛虎激殺!」と「いちご白書」と「徳川女刑罰史」を続けて観たら死にそうになったというハナシ。

死亡遊戯のバッタもんで、倉田先生より虎のシーザーのが扱いがいい気がする猛虎激殺は、圧倒的にハズレの多い山口和彦の映画ではかなりマシな印象。しかしいっぽんの映画に2回も「今頃サメに喰われているだろうゼ!」みたいなセリフが出るデタラメさはサスガ東映。主題歌サークル・ゲームとバンバンの歌で有名な「いちご白書」は期待のマイナスひゃくまんばいくらいさっぱりで、似たような学生運動ものでも「YOU…」とか「if…もしも」のが間違いなく面白かったけど、なんでこんなに下馬評が高いのか謎。あえて監督つながりで「スパイ大作戦みたいだ!」のセリフだけ面白かった。そして小学校の遠足で東映太秦映画村のスチル写真に恐怖して以来、自ら禁忌としていた「徳川女刑罰史」が実は傑作だったことを知る45年目の夏。吉田輝雄が回想するオムニバスの3本どれも凄かったけど、就中、小池朝雄の刺青師のエピソードが白人の皆さんのまさに身体を張った熱演もあって圧巻。サスガ石井輝男。アマゾンキラーとおんなじ演技の賀川雪絵も最高(こればっかし)。