平和の戦士S26号!

オタク終活「トリプルファイター」全26話。若槻文三のインテリジェンスな文芸が兎に角、最高で、藤川桂介なんか端から論外、深刻な筆致でトクサツファンに人気の高際和雄ですらその足下には遠く及ばず、パリ本部、アパッシュ、テロル、オルリー空港にミラージュと、初代ウルトラマン以来のヨーロピアンな雰囲気も文句なし。トリプルに比べたら「マイティジャック」(オリジナルの若槻脚本は悪くなかったけど)なんて鼻くそ同然の極上のエスエフ・スパイアクション。巨大ロボット・トリプルファイターも最高にカッコよく、安藤・鈴木・大塚の助監あがりらしいアバンギャルドな演出も冴えて、トクサツはアイデアにセンスだと改めて痛感する。間違いなくオール円谷作品でも随一の完成度と目するが、あえて残念だったのは終盤のデーモン怪人が中盤までのそれに比べて「デザイン」が張り切りすぎてカッコ悪くなったことくらい。ちなみに関西人はこの番組のおかげさま、ウルトラセブンが前座番組である印象がいまだに払拭できない。サットバギーの初登場シーンはマックイーンの「華麗なる賭け」のオマージュだと思うのは余談。