スパシーボ

長谷川四郎「シベリア物語」読了。黒川ケンキチ氏にご紹介いただいた本。同じ日本人抑留のハナシでも、高杉一郎の小説家らしい文体のがカッコ良くて好みだけど、虜囚にあるまじき静謐な筆致は奇妙な引力と集中力を伴って、最近では珍しく一気に読んでしまった。婆さんと囚人列車に牛乳を売りに来る少女が可愛かった。

 

そして高杉一郎「シベリアに眠る日本人」も読了。自身が虜囚時代を過ごしたロシア各地を訪ねる探訪記。「極光のかげに」から実に42年を経た本書の筆致にまったく衰えがないことに驚き、極光~で心に残ったカール・マルクス街でふたりのロシア人から「プーシキンのために」と20ルーブリ紙幣を渡される一幕が、いささか記憶違いでもシベリアに~にも紹介されていたのが嬉しかった。こちらもやっぱりピオニール宮殿の少女が可愛かった。

 

そして現在、高杉一郎の「スターリン体験」を読んでるところだけど、なんか難しくて挫折気味。