衝撃波Q

オタク終活「バトルフィーバーJ」。全52話。矢島特撮の至宝「ロボット大空中戦」は年一くらいで観てるけど全話観るのはいつ以来か思い出せない。「ザ・カゲスター」に始まる東映のアメコミシリーズ第三弾で、試行錯誤が上手く着地した「スパイダーマン」と同じヒーローと子供の友情路線を選択するのはまあ当然として、しかしスパイダーマン最大の弱点だった主人公が所詮は“スパイダーマン”であること解消したカッコいいバトルマンらと、怪獣番組で馴染みのなかったナウでオシャレなキャスティング(当時はコサックがミドレンジャーと気がつかなかった)に上がりっぱなしだった期待値が、イレギュラーのロボット建造編が終わって本筋に入った途端の火の玉怪人をピークに下がる一方なのはいかがなものか。ウエショー&高久のそれに遠く及ばない曽田&江連の脚本のカタルシスの弱さ(とは言えスラップスティックな曽田脚本はフィーバーに似合ってるけど)もアレだったけど、いちばんの問題は子供との友情を紡ぐヒーローが毎回変わって印象が散漫になることで、フィーバーも所詮は戦隊もの、と言う残念な事実が浮き彫りになってしまう。さらにアメリカとコサックの交代劇(いまさら伴大介…)が入って新奇なキャスティングが台無しになったうえ、スケジュールの都合で二代目アメリカとケニアのハナシばっかりになるのもどないやねんと。

 

しかし劣悪なスタジオの環境逆手にとって、ビッグベーザーのエアコンがやたら故障する演出はとてもリアル&バトルフィーバーっぽくて上手かった。いつもスーツをビシッと着込んだ千代之介の苦労も偲ばれる。