立て!アクション!ファイト!

オタク終活は相棒に借りてたのすっかり忘れてて急遽繰り上がりの「ジムボタン」全26話。テレビ大阪の再放送で観て以来だから30年以上ぶり。エイケンらしい小林勝利の可愛いキャラクターが魔人ドリンガーの配下にいきなり石にされたり鳩にされたりのハードな導入部から、母が囚われる北の国を目指すジムの行く先々での過酷な試練はキャシャーンみたいで(ついでに魔人ドリンガーはブライキングボスそっくり)子供心にショックだったけど、いま観るといささかワンパターンな気がしないでもない。当時は「冒険コロボックル」がダメだったぶんも人気番組だったと思うけど、例の腸ねん転で2クールで終わったのはむしろ良かったのかも知れない。ちなみに演出や作画よりは文芸が肝で、メインの辻真先より城山昇が記憶に残るハナシを書いている。

 

やたら高い平凡社文庫「チェコSF短編集」読了。きっぱりオーウェルの「1981年」のひゃくまんばい好みの「再教育された人々(1931)」から「オオカミ男(1973)」までは粒が揃って面白かったけど、80年代に入った途端に何を言いたいのかすら分からないのばかりでうんざりする。なんで80年代以降のSF(あと80年代のロボットアニメも)は邦洋問わず「この俺の名作が分からないお前のアタマが悪いのが悪い!」みたいなのばっかりなのか。アホなのか。

 

 

 

元気です、ありがとう、どうぞ

東映チャンネル「ラグビー野郎」。千葉次郎主演で気になって録画したものの、見るからに面白くないオープニングタイトルにずっとほったらかしてた映画。その予感は見事に当たって全然まったく面白くなかったけど、大友勝利以来すっかりガラが悪くなった千葉真一の運ちゃんが千葉次郎のピンチをトラック野郎よろしく助けるところが面白かったので、まあよし。1976年。

 

ムービープラス「国境は燃えている」。第二次大戦下、イタリア制圧下のギリシャ慰安婦イタリア軍中尉のロードムービー。難易度の高い映画ばっかり撮るゴダールの嫁はんのおかげさま、主演?のアンナ・カリーナはあんまり馴染みがなかったけど、素晴らしく格調高い映画できっぱり大傑作。初登場シーンが実にカッコいい12人の慰安婦が揃いも揃ってべっぴん揃いで出番の配分も良く、モノクロ映画なのに画面の華やかさが半端でないのも素晴らしい。そんな彼女らに同行する中尉も少佐も男前で好感度が高い。こんな凄い映画が近年までソフト化されてなかったらしくて、「血とバラ」や「黄金の眼」なんかともまったくどうかしてる。1965年。監督のズルリーニはあの「タタール人の砂漠」も撮ってらしくて、こっちも放送お願いしたい。

時間ですよ

前シリーズから毎回凄いゾンビランド・サガでも就中、リベンジの第4話は飯も歌なんもかんも素晴らしかった。どれくらい素晴らしかった言うと延々こうたやめた音頭を踊ってた純子ちゃんのフィギュアをついに買ってしまったついでにCD目当てでブルーレイを予約してしまうくらい。やっぱり純子ちゃんの声優さん最高。実際、いまも昔も声優の歌で感動したのはまゆしーとこの人くらい。ひそねとまそたんではなぜか空気だったけど、これからも頑張っていただきたい。

 

そう言えば前回の屋根でギターのシーンから、純子ちゃんはもしかしてひょっとして天地真理ポジションだったのかしらと。

自分はいま、地質学の研究をしておるんです!

日本映画専門チャンネル「恋愛ズバリ講座」と「憲兵と幽霊」。初めて観る前者は三部構成のオムニバスで、石井輝男で正攻法の「好色」を押さえて三輪彰で終始、冗談みたいな「吝嗇」が面白かった。ちなみに石川義寛で文太兄いの「弱気」がいちばん凡作だったけど、もとよりエリートの文太兄いのキャラに似合った会社員と、ダスティ・ホフマンの「卒業」を6年も先取りしてるラストシーンは白眉だと思う。1961年。そして久しぶり観る後者は中川信夫が翌年撮るウルトラな大傑作「東海道四谷怪談」のパイロットみたいな映画で、そう考えると脈絡なく蛇や幽霊を登場させた大蔵貢の意向はウルトラに大正解だったと思う。1958年。

サムライ

日本映画専門チャンネル「怒号する巨弾」。高校生時分、富士の裾野で天知茂宇津井健が一騎打ち!と聞いてずっと観たかったのを、30年前に伊丹グリーンのオールナイトで観て感激して以来の映画。改めて観てもフィルム・ノワールを共通項に、天知茂がまんまアラン・ドロンを彷彿とさせるついでに宙明の音楽もニーノ・ロータっぽくて最高にカッコいい。でも三ツ矢歌子はやっぱり同じ新東宝の「裸女と殺人迷路(丹波があっさり射殺されるやつ)」のが圧倒的に可愛いと思うので、こちらもいつか放送お願いしたい。1960年。上坂すみれの解説はどうでもいい。

 

先日の劇場版BEM、劇場版このすばに続いて、来月は劇場版少女歌劇も放送されるATXはこれだから解約し難い。

かーぜーよふけふけー

シネフィルWOWOWティファニーで朝食を」。やっぱりマンハッタンはええなあと言う映画。死んで生まれ変われるならズバリ、ニューヨーカーに生まれ変わりたい。ちなみに劇中でいちばん好きなシーンはヘプバーンがムーン・リバーを弾き語りをする一連で、ガッチャマンもタイガーセブンもティファニーも、主題歌を劇中で歌う作品にハズレなし。

 

ATXリズと青い鳥」。嫌味な主人公に辟易して1話しか観たことなかったユーフォニアムのスピンオフとは思わなかった。作画に凝りすぎてキャラのアホ毛が多すぎるのはどないねんと思ったけど、作画も演出も上品で、女の子らも揃って線が細くて可愛くて(テレビの主人公らも喋らないと可愛い)、まったくうっとりする。肝心の音楽も良かった。内容はまあ、あんなもんではないかい。

 

東京へ急遽の出張の相棒宅へ届け物。10何年ぶりに会うお母さんはええ歳こいて(自分と同い年)色々と相変わらずの相棒を心底から心配していて、ああ、母親ってのはいいもんだなあとしみじみ思う。もとより親兄弟のない、自分みたいな無頼な人間にはことさらに。