パイロットドロン44歳

ムービープラスの「大空港」「エアポート75」「エアポート77」「エアポート80」を懐かしさから一気観したら例によってヘロヘロになった。アメリカ男優ではイチ押しのランカスターの「大空港」は人気シリーズの礎になる貫禄の出来で、子供の時分で観たときより色々分かってなお面白かった。 続く「エアポート75」はオメガマン・ヘストンが主人公でもヒロインのカレン・ブラックのが印象に残ってるのも往時テレビで観たまま。これも記憶する以上に面白かった。 そして「エアポート77」は当時のコマーシャルとか映画館の看板にポスターとか、いちばん記憶に鮮やかに残りながら、前2作に比べてジャック・レモンが地味すぎるのと、レギュラーのジョージ・ケネディカタルシス不在で、シリーズでもきっぱりいちばんダメ。ダメなついでに「バミューダからの脱出」なる品のない副題も観る気が俄然削がれる。そして最終作の「エアポート80」はコンコルドを狙う誘導ミサイルに戦闘機と、色々とマンガっぽくて見飽きないうえ、カッコいいパイロット・ドロンが超カッコいいコンコルドを宙返りさせるだけですべて許せてしまう。ついにパイロットに昇格したジョージ・ケネディの語り口も最高、ファイヤーフォックスを先取りした合成にアルプスに不時着するコンコルドのミニチュアワークも最高、世評は知らんが結構言うことなし。そしてトクサツ映画としても完成度の高いシリーズ4作に共通する大作主義は、一面、映画のあるべき姿でないかと思う。