ドイツ人と言うドイツ人は片端から殺せ!

スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチ「戦争は女の顔をしていない」読了。なにひとつ同じハナシはないと紹介されながら、どないしても似たようなハナシになってしまって長丁場の中盤、ちょっとだれてしまった。狙撃手ほか漫画版に採用されたエピソードと、巻…

泰山の安きに置けない

波よ聞いてくれのアニメを観てみたが、いくら沙村センセと言っても原作よりアニメのが絵のがヘタクソって問題ではないか。あえて見どころはエンディングの沙村絵ぐらいみたいな。そして田中信夫のディオくらいはまり役だったミナレの声優さんひとりが頑張っ…

ひらけ!ポンキッキ

もらいもんの「銀河乞食軍団」読了。もらいもんで悪いがぬえの加藤氏のイラストがカッコいい本編より、あとがきの野田大元帥VS宇宙からのメッセージのがひゃくばい面白かった。しかしエスエフ小説って邦洋問わず、なんでこんなに当たりが少ないのかと読むた…

その名を輝かしめよ!

とっくに処分したと思ってた「宇宙の戦士」の矢野徹訳版があらぬところから見つかったので読んでみた。やっぱり近年の新訳より上品にまとまっていて、断然面白い。巻末の各書評にぬえの加藤氏の口絵と本文イラストも言うことなし。

コスモハウンド

当時もほとんど見てなかった宇宙戦艦ヤマトⅢをファミ劇でうっかり全部観てしまった。しかも思ってたひゃくまんばいくらい面白かったのでびっくり。デスラー全然ええとこなかったし、どう見てもキャラ表を見てないトミーの絵はどないやねんだったけど、1980年…

んーんーんんんー

オタク終活「少年探偵団」。全26話。戸川昌子がタイトルを書いてるBD7のほう。全話通して観るのは本放送と小学生の夏休みの再放送以来。いま観ると前後編とワンパターンの恋愛要素を強行した長坂先生の立ち上げは大失敗で、ウエショーの参入と1話完結になっ…

君、プーシキンを読んだことがある?

開高健「歩く影たち」「ロマネ・コンティ1935年」読了。どちらも短編集。読み終わってから三篇ダブっていたことに気がついたのは我ながら間抜けなハナシ。陰のある美しい筆致は両者とも劣らずながら、前者が戦場のハナシばかりなぶん、まだしも平和的な後者…

オロカモノメ!

中野孝次「清貧の思想」読了。いまさら読んでも面白い1992年のベストセラー。コレクター的に序盤の光悦の茶道具のくだりが実に興味深い。バブル経済を俯瞰した内橋克人の解説も面白い。とは言えバブルが弾けてなお、日本経済がまだまだ持ち直す可能性があっ…

だいじょうぶマイフレンド

村上龍「限りなく透明に近いブルー」読了。モゥなにがなんだかさっぱりわからんかった。と言うか、たったの一語もアタマに入ってこないのはむしろ凄い。やっぱり芥川賞はダメだ。 開高健「夜と陽炎・耳の物語2」も読了。こちらはサントリー時代の序盤がいさ…

ひょっとしてこれマンガンキー

オタク終活「5年3組魔法組」。全41話。シリーズ中盤、助監だった長石多可男の演出回(バトルジャパンのゲスト回)をきっかけに、ようやく軌道に乗るまでのスタッフの迷走ぶりはただことではないけど、辻真先のコメディ特撮として魔女先生の序盤と並んでもっ…

勝てば問題ない

ゴラク以外で唯一読んでる漫画、「ベアゲルター」と「波よ聞いてくれ」の新刊が出てたので買ってくる。沙村美人がいっぱい出てくるだけで嬉しいベアゲルターは、しかし楽しみにしていた忍ちゃん(殺し屋のほう)の出番が4コマしかないとは思わなかった。詐欺だ…

この艦では敵に勝てない

江崎グリコのキャンペーンが懐かしいファミ劇のヤマト2。実に本放送以来だから42年ぶりに全話観てみたら、これがさらば派だった自分でも結構面白くてびっくりした。なかんずく出番が多くて嬉しいアンドロメダの描写、コスモタイガーの奇襲で始まる彗星帝国の…

勝負!

スターチャンネル「血を吸うカメラ」。超アナクロな画面が紡ぎだす超モダンな異常心理にビックリすること請け合い。1960年。 開高健「破れた繭・耳の物語」読了。氏の幼年期から青年期の自伝的小説。野坂昭如も同じく、恐ろしく下品なのに素晴らしく上品な筆…

ピードモント

スターチャンネル「コーマ」。大病院に続発する昏睡患者にまつわる臓器売買の陰謀。ジェニファーソン研究所の処置室を全景でとらえたカッコいいアナログ盤のジャケット(でもゴールドスミスの音楽は全然まったくたいしたことない)と、マイケル・クライトン監…

大群獣ネズラ

スターチャンネル「ウィラード」。孤独な青年ウィラードが友達になったネズミを操って対立者に復讐を果たし、やがては自滅するハナシ。ネズミの大群が人間を襲うビジュアルから動物パニック映画のハシリと思われてるけど、ネズミより遥かにグロテスクな人間…

気分はもう右翼!

ハインライン「宇宙の戦士・新訳版」読了。10代に旧訳版を読んだときは死ぬほど面白かったのが、なんか今回いまいちだったのは自分が歳とって感性が鈍磨したからか、あるいは訳が合わなかったのか。いまさら改めて旧訳を読んで確かめる気もないけれど、とり…

ハチャメチャのシッチャカメッチャカだった頃!

ザ・シネマ「ワンダーウーマン」。ロードショウ当時、上品にまとまったワンダーウーマンのコスチュームに感心しながらなんとなく観てなかった映画。空飛ぶ鉄腕美女でもやってたらしいけど観たことない、出生地・アマゾン島?パラダイスアイランド?の描写は…

化石の戦士

見るからにゴミになる一方のライダーや戦隊やウルトラマンと違って、喩え去年がゴミでも今年は面白かったりするのがプリキュアの油断ならざるところだけど(ちなみに川村敏江が登板するとゴミカス率がグンとアップする)、なかんずく放送中のスタートゥインク…

至急巨大ロボットを!

オタク終活「スパイダーマン」。全話観るのは90年にKBS京都で再放送あって以来だから実に30年ぶりで、今回観たのはテレビ新広島バージョン(ややこしい)。石森史郎の日本版バットマンこと「ザ・カゲスター」をアメコミ路線の試金石にした東映が、今度は日本人…

ザ・ジェット

ザ・シネマ「…YOU…」。なんか覚えがあるタイトルだと思ったら、ハリソン・フォードのファンだった時分、ブレードランナー以前の氏のフィルモグラフィーで見れなかった(チョイ役にもほどがあるテキサスの七人まで観てた)映画の一本だった。映画は学生運動華や…

泰緬鉄道は狂気によって建設された鉄道である

古山高麗雄「兵隊蟻が歩いた」読了。著者の大東亜での足跡を辿る戦地再訪の記録。ユニークな筆致がときに徹底的に皇軍を罵って、対極にある高杉一郎の「シベリアに眠る日本人」の読後だけに鮮烈。愛読書「戦艦大和」の吉田満の寄稿もあってお得感がある一冊…

自由の戦士!

会うたび口角泡を飛ばしてイナズマンフラッシュのハナシをしてたおかげさま、友人がレプリカマスクを仕上げてくれて感謝感激。番宣ポスターを参考に、目とか耳とかアンテナの角度とか、こちらがうんざりするほど拘ってくれたこのマスク。とりあえず本棚のい…

エクスプロージョン!

劇場版「この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説」。傑作だったテレビシリーズを見事にブロウアップして、まさにラノベ原作的にもJ.C.STAFF的にも破格の面白さ。無理して観に行った甲斐があった。おかげさまギリギリで我慢しているめぐみん( スニーカー文庫30周…

シュネルフォイヤー

DVD「吸血狼男」。ハマーと言えばこの監督、テレンス・フィッシャー描くところの格調高い画面と、待ちに待った甲斐があるオリバー・リード演じる狼男の圧倒的なカッコよさで大好きな映画。かの石上先生は狼男を人間の獣性を発現させただけのつまらない怪物と…

原子熱線砲

DVD「モスラ」。妖星ゴラスは別格として、いちばん好きな東宝の怪獣映画はモスラです!と言うとトカゲ型怪獣信奉者の友人から虫じゃん!と必ず返される(ちなみにラドンと言うと鳥じゃん!と言われる)「モスラ」を久しぶりに観ようと思ったら、ディスクが見つ…

革命機

ATXでいまさらオーバーマン・キングゲイナーを観てるけど、あまりと言えばあまりにも視聴者ほったらかしで、同じくATXでいきなり放送中のアクロバンチのがまだなんぼか面白いのは問題ではないか。実際のとこ富やんはトリトンからイデオンまでと(ライディーン…

あばよ

日本映画専門チャンネル「用心棒」。見るたび藤田進が好きになる映画。黒澤明で1961年。 DVD「地平線がぎらぎらっ」。我欲に憑かれた脱獄犯どもがダイヤを巡って絶望へと一直線。新東宝らしいアナーキーさとスピードとエネルギーを蓄えて、タイトルからなに…

クーパースミス

ザ・シネマ「悪魔の棲む家」。家!神父!夥しいハエ!と流行りの要素を盛り込んでなお、実話ベースだからでは許されないくらい面白くない映画。たび重なる異常現象に慄きながら、地獄に続く井戸が見つかった家でしばらく住み続けられる家人の神経も謎。斧を…

恋のぼんちシート

東映チャンネル「男なんてなにさ」。渡辺祐介監督、下飯坂菊馬脚本で、緑魔子、大原麗子、そして春川ますみが身を寄せ合って立身出世を夢見る展開はまんま松竹のドリフ映画。その3人を騙そうとして痛い目を見るのがザ・ぼんちの「そーなんですよ川崎さん!…

マッコイ

ザ・シネマ「ゲッタウェイ」。主に登場人物の民度の低さで心がすさむペキンパー作品で、スティーブ・マックイーンとアリ・マッグローが生き残ってむしろびっくりする映画。ラスト近くに登場するいい味出してるじいさんがどっかで見た顔だと思って調べたら、…